X University — Orthodontics
臨床の真髄は、スライドの中ではなく
「作業の過程」に宿る。
配信期限 3/11(水)まで
完成された症例報告を見るだけでは辿れない、
臨床家の思考の道筋がここにある。
五十嵐歯科室・五十嵐祐二先生をお迎えし、実際の患者資料を用いた「診断」と「クリンチェック作成」のプロセスを、リアルタイムに構築していく完全ライブ配信。プレゼンテーション形式の講義ではなく、CBCTや口腔内スキャナ、顔貌写真などの検査データから、何を読み取り、どのように診断を下し、どのようにクリンチェック上のフォースシステムへと落とし込んでいくのか——その全過程を余すところなく公開した120分。
What You Will Learn
01
正面写真から下顎偏位を予測し、CBCTで骨格的な左右差や歯根・歯槽骨の状況を精密に把握。「この患者はなぜ今この状態なのか」を読み解く、五十嵐先生の診断の出発点。
02
4番か5番か、非抜歯か——骨格的な問題、臨床的歯冠長、歯根の傾斜、バイトの深さ。複数の変数を見極め、リスクを最小化する抜歯部位選択の判断基準を症例ベースで解説。
03
「歯を動かすイコール理由が必要」。アライン社が標準値で組み上げてくるセットアップから、骨格やデンタルコンペンセーションに適さない移動を見抜き、削除していく作業の全貌。
04
絶測と教測で異なる力のかけ方、二級ゴムと下顎近心移動の併用、ローテーション用のボタンカット配置。「追加アライナーゼロ」を実現するために最初から仕込む、繊細な布石の数々。
歯を動かすイコール、理由が必要。
理由がなければ動かすべきじゃないし、
動かさない方が治療もうまくいく。
—— 五十嵐祐二
Seminar Clips
セミナーのハイライトをダイジェストでご覧いただけます。実際の講演は、これらのトピックをさらに深く、症例に即して展開しています。
Featured
歯冠長・歯根傾斜・バイトの深さ——複数の変数から、リスクを最小化する抜歯部位の選択を導き出す。臨床で最も問われる判断の分岐点。
Clip 01
セミナー冒頭。診断の要点と、クリンチェックに落とし込むまでの全体像を示す。
Clip 02
「動かすべき歯、動かさない歯」——移動の理由づけという、五十嵐先生の臨床哲学の核心。
Clip 03
断面の取り方で変わる診断。CTの読影において、断面設定がいかに重要かを実演。
Clip 04
遠心移動のリスク管理。骨形態を把握した上で、安全な移動量を見定めるプロセス。
Featured
アルゴリズムが提案する18度ものアンギュレーション改善を5度以内に抑え、不要なローテーションを削除していく。「減らす」ことで精度を上げる、引き算の設計思想。
Clip 05
かつては当たり前だった遠心回転を、なぜ今は控えるのか。咬合関係を重視した新しいアプローチ。
Clip 06
削る場所の賢い選び方。前方IPRを優先する理由と、固定源確保との関係性。
Clip 07
絶測と教測でゴムの強さを使い分ける。大きなローテーションを確実に達成するための繊細な力のコントロール。
Clip 08
承認前に日を明けて2〜3回見直す。「治療中はクリンチェックを疑わない」ための、覚悟と丁寧さ。
3時間半のライブデモンストレーションでした。2症例に対して、CTの閲覧から診断、そしてクリンチェックの設計と承認判断まで。画面共有越しに、先生の臨床思考がそのまま流れてくるような時間でした。
私が最も深く感銘を受けたのは、「追加アライナーを出さないためのゴール設定」という考え方です。
これは単に移動量を減らすということではありません。どの歯のどの移動を意図的に諦め、どの移動は譲らないのか――その線引きが、極めて明確でした。治療ゴールの質を大きく損なうことなく、機能的にも審美的にも十分な要件を満たしながら、歯根の過剰な移動を伴わずに達成できるゴール。その設計思想が、1回のクリンチェックで治療を完結させるという結果に、静かに、しかし確実に結びついていました。
セミナーの中で先生は、アルゴリズムが提案する18度ものアンギュレーション改善を5度以内に抑え、拡大を最小限にし、不要なローテーションを一つずつ削除していきました。「減らす」ことで精度を上げていく。その引き算の設計思想は、アライナー矯正に限らず、臨床全体に通じるものだと感じます。
もう一つ、CTを主体とした診断について触れなくてはなりません。
驚いたのは、パノラマもセファロも別途撮影せず、全顎のCBCTから2Dのパノラマやセファロをエクスポートし、それらも含めて診断を完結されている点です。MPRで歯根と皮質骨の位置関係を一本一本確認し、ボリュームレンダリングで骨格全体を俯瞰する。3Dセファロ分析によって、従来のPAセファロでは捉えきれない顔面の左右差や顎骨の三次元的な歪みまで、精密に読み解いていました。
この点は、クリンチェックだけを見ていると見落としがちな部分です。クリンチェック上では歯槽骨と歯、歯根の関係しか映りません。上下の土台である上顎骨・下顎骨の傾きやズレは、いわばキャンセルされた状態でデザインすることになります。その制約の中だけで完璧な咬合を追求するのではなく、骨格レベルの情報を診断の段階でしっかりと把握し、ゴール設定に反映させている。顔貌写真の左右差、CTでの顎骨の歪み――それらが最終的なクリンチェック設計にきちんと落とし込まれていたことに、強い感動を覚えました。
さらに言えば、先生のクリンチェック承認のプロセスも印象的でした。作成後、日を明けて2〜3回見直してから承認する。頭をリフレッシュした状態で再確認することで、「治療中はクリンチェックを疑わない」という前提を揺るぎないものにしている。その覚悟と丁寧さに、臨床家としての矜持を感じました。
クリンチェックの実操作画面、ボタンカットやプレシジョンカットの選択基準、フックとエラスティックの使い分け、固定用アタッチメントの判断――こうした日常のチェアサイドに直結するノウハウから、診断という治療の根幹まで。余すところなく見せていただいた3時間半でした。
南舘 崇夫(X大学 矯正科 医局長 / モデレーター)
Speaker
Lecturer
Yuji Igarashi, DDS
五十嵐歯科室 院長
インビザライン社ファカルティ
「追加アライナーゼロ」という極めて高いゴールを掲げ、最初の一手——診断とセットアップ——に緻密さを注ぎ込む。講演活動を控えつつある今、その臨床の思考プロセスを公開する貴重な機会。
モデレーター:南舘 崇夫 先生(X大学 矯正科 医局長)
Details
Date
2026年2月25日(水)21:00〜
Format
オンライン開催(Zoom)
アーカイブ配信 2週間あり
Archive
〜 2026年3月11日(水)まで視聴可能
Tickets
Archive Available
配信終了 2026.3.11 wed
アーカイブ配信は 2026年3月11日まで。お見逃しなく。
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